真之行台子

こないだの日曜、許状引き渡しの茶会を催した。
社中のKKさんが真之行台子、大円之草、正引次を取得した。
茶名を取得済みのGTさんとOHさんが連客で入る。



掛軸は大徳寺派の萬年山主大道筆になる「別是一家風」
『碧巌録』第64則「趙州頭載草鞋」及びその前段の第63則「南泉斬猫児」が出典。
非常に有名な公案なんやけど、それだけにとても難解でもある。
もうしばらく考えてから、いずれ茶席の禅語シリーズで書けたらなと思うてる。
取り敢えず簡単に説明しとくと、
「ウチは他の宗派とちょっと違うてますよ」てゆう臨済宗の矜持て言うといたらええかな。

私も他の人とちょっと考え方がちゃうみたいで、
論理的に納得でけへん幾つかの所作や点前手続きを私流に改変して教えてる。
もちろんあくまでその方が裏千家の王道やと私は思ってる。
周囲への影響力が小さいから、ごまめの歯ぎしりに過ぎひんけどね。



席入りの挨拶を済ませてから、軸前に飾った許状を取下ろして読み上げる。
真之行台子と大圓之真台子と正引次の許状をKKさんに手渡す。

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続けて祝いの盃事。
真の茶事やったら朱塗りの高足膳で精進料理を出すとこやけど。
骨董で手に入れた足打折敷に向付とガラスの盃を載せて運び出し、先ずは一献。
鮑の形の萩焼に鯵の刺身で。

-0IMG_6833

煮物椀は正法寺椀に、まさに今が旬の鱧を使う。
添えたのはシンプルに茗荷のみ。

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八寸はローストビーフとオクラ。
酒は米の香りが強くて澄んだ味わいの、小西酒造「碧冴えの澄みきり純米」を供する。

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膳を引いたら初炭。
行之行台子以上の点前は初座から茶入れが飾ってある。
茶入を運んで中次や中棗と取り替えるのは、お稽古の時だけの所作です。
真の炭は神折敷に組んで、普通とは逆に胴炭を向こうに置く。
どれほどの意味があるのか不明やけど、炭を置いた形は旧字の國になぞらえる。
これも何でなんか判らんけど、灰器の中は共灰で中掃きは無し。
本則は四畳半やから座掃きをするけど、我が家は八畳やから省略する。



ところで、
真の点前を知ってる人はこの写真に違和感を感じてはるやろうね。
真台子の道具組は唐銅の皆具、それはクリアしてる。
真の土風炉で眉風炉に鱗灰を施す約束やのにこれは違う。
けど私は更に古式の唐銅切掛風炉を使うべきやと思うてるんです。
唐銅鬼面風炉が「真の真」、唐銅の朝鮮風炉が「真の行」、唐銅琉球風炉は「真の草」やろう。
すっきりと美しいし、風炉の足元が広いから釜の蓋も香合も置きやすい。

-0IMG_6832

本音を言うたら、鱗灰を作るのが単純に面倒臭い。
おまけに私は眉風炉を所有してへん。
しかしこれでは私の主張が単なる言い訳にしか聞こえへんくて全く情けない。



真の炭が終わったら、縁高に入れた七種の菓子を出す。
小さい菓子を選んだから、全部を食べることがでける。
そやから、赤杉の箸も奉書も出す必要はあらへん。

-0IMG_6841

中立をして貰うて席中を整える。
掛軸を外して中央に真の花入を置き、花を入れて露を打つ。
盆に載せた茶入を天板水指の上に移動し、仕服に納めた台天目を風炉の上に飾る。

-0IMG_6843

そうして真之行台子の点前を披露する。
ちゃんと観て覚えてくれたかな。



真の点前では台子の位置を普通よりも遠くに据えてある。
だからそのままやったら普通の薄茶点前はでけへんことになる。
動座して貰うて、他の部屋で普段の道具組で薄茶を差し上げるのがお約束やねん。
しかし私はこの時点で既に疲労困憊。
これは予め予想した通りやった。
ここで終了するつもりでいてたから別席の用意はしてへん。

それでも一応、「薄茶を飲みたい?」て聞いてみた。
そしたらまぁ当然やろな、3人とも欲しいとおっしゃる。
しゃあないから台子を定座に引き寄せて、更に皆具と薄茶器を取り替える。
念のために必要な道具は出しといたし、別の棗にちゃんとお茶もはっといた。
そうしてKKさんに、皆さんへのお礼として薄茶を点てるよう申し付ける。

-0IMG_6850

私も相伴して自服もして貰って、ようやく終了。
次回稽古日に練習しましょうね。



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ありがとうございました。

お茶会ありがとうございました。
とても楽しかったです。
8月のお稽古、よろしくお願いします。
覚えてたら良いのですけど・・・。
すみません(> <)

Re: ありがとうございました。

きしらさん、私も楽しかったです。

大丈夫ですよ。
一度見ただけで覚え切る人は滅多にいません。
幾つかのポイントを覚えてたら合格です。


真の行

興味深い記事に感謝です! 昔の記事なのでご教示困難かも知れないですが、疑問点のご教示が頂ければ感謝です!
*鬼面風炉:真真、朝鮮風炉:真行、琉球風炉:真草との仕分の論拠は? 台子での真は土眉風炉か唐金鬼面風炉が伝授で朝鮮風炉、琉球風炉は行格が裏流伝書の規定と認識をしております!
*縁高での菓子は小さければ赤杉箸が不要との論拠は?
赤杉箸を添えるのは菓子の大小でなく数の対応と解しておりますが?
*台子の位置を奥に据えているので、薄茶困難とは?
何目に据えておられるか不明ですが、台子の位置と薄茶の可不可とは関係がないと思いますが?


Re: 真の行

N.OKAMOTOさん、コメントと質問に感謝です。

> *鬼面風炉:真真、朝鮮風炉:真行、琉球風炉:真草との仕分の論拠は?
この仕分けは先走りと言うか間違いでしたね。
じゃあ真之行草は?ってなりますから。
しかし切掛風炉の格付けとしては間違いないと思います。
鬼面はそもそも台子が到来した時の風炉だから真でしょうし、
琉球は水屋でしか使えないという人も居るくらいなので草でしょう。

> 赤杉箸を添えるのは菓子の大小でなく数の対応と解しておりますが?
ご存知のように普通ひとつの菓子を黒文字1本で食べますよね。
数が幾つに増えても同じこと、1本の黒文字で問題ありません。
赤杉箸を添えるのはそれでないと取り難い栗とか煮しめとか炙り昆布とか、
作り菓子以前の本来の菓子の場合です。

> 台子の位置と薄茶の可不可とは関係がないと思いますが?
確かに、物理的にできないという訳ではありませんね。
奥秘以外の普通の台子点前の場合は膝線から18目に据えるのが決まりです。
真はそれより2目~4目遠くに据える決まりですし唐金皆具も真だけです。

No title

真台子のお炭点前をするとき天板に四方盆に唐物の茶入れを飾ってありますが、お茶を入れないで仕覆の紐は休め紐に結んでお棚の中心に飾っておきますか
それともお茶を入れて客付き寄りに置きますか教えて下さい
よろしくお願いします

長谷川のり子さん、コメントに感謝です。

もしかして写真の茶入の緒が、休め紐になってるように見えました?
ちゃんと普通の結び方をしてますよ。

盆に載せ天板中央に飾ってある茶入には最初から茶が入ってます。

それを客付き水指の上まで寄せるのは、中立の間にやります。
休め紐は水屋の扱いやから、お客さんに見せることはありません。
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